202011SEPメールニュース29号
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―★☆。:.: SEPメールニュース 第29号 2020/11/20――★―☆。.::・゜
あなたのこれまでの苦労は、あなたのせいではありません
本当の自分をとりもどして、自分が望む人生を歩みましょう
発行:SEP研究所 HP https://seplabo.com/ BLOG http://blog.wana.jp
◆CONTENTS
【Ⅰ】 2021年 学習会「向精神薬とは何だ?!」のご案内【当事者・支援者向け 全4回】
【Ⅱ】 大阪市内の障害福祉現場でのSEP実践報告をいただきました
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去る11/7、学習会2本立て「第2回スキーマ学習会」と「現場で活かす 向精神薬の基礎知識」をWANA関西3階で開催しました。当日の会場は満席のうえ(コロナ対策実施)、オンラインでのご参加も多数で、非常に熱のこもった学習会となりました。
とりわけ向精神薬の学習会は、来年からのエンパワメント学習会スタートに先駆けたプレ企画でしたが、福祉・心理領域や行政機関からのご参加も多く、処方薬の問題への関心の高さがうかがえました。
そこで本日は2021年、本格的に始動する学習会「向精神薬とは何だ?!」についてお知らせします。この学習会は、精神科、心療内科などで日々処方されている向精神薬について正しい知識をつけるとともに、適切な付き合い方、本来の意味での健康や回復について理解を深め、実践に活かす学習会です。ご自分の回復はもちろん、支援の質を高めるためにもぜひご参加ください。
全4回のうち1,2回めは、向精神薬によって家族を亡くされ、向精神薬による薬害に苦しむ人を減らしたいという思いから活動されている「全国オルタナティブ協議会」代表の中川氏を講師にお招きし、3回めは福祉業界での減断薬の実践事例報告、4回めは減断薬にとりくんだ当事者のお話を聴きます(詳細はこちら→ブログ http://blog.wana.jp/?day=20201120 またはFacebookでhttps://www.facebook.com/wana.maluhia/posts/1239759996406069 )。
<開催日時>第1回:3月20日(土)14:00~16:00 向精神薬の学習①:中川氏
第2回:6月19日(土)14:00~16:00 向精神薬の学習②:中川氏
第3回:9月18日(土)14:00~16:00 福祉事業所の実践事例報告:藤木美奈子
第4回:12月11日(土)14:00~16:00 減断薬をした当事者の語り
<場 所> WANA関西、またはzoomによるリモート参加(コロナ対策を行います)
<参加費> 1回につき税込3,500円 2回分まとめて税込6,500円(単発申込より500円オフ)
<申 込> メールで、①名前、②電話番号、③参加希望日、④参加方法、⑤入金の方法をご連絡ください (メールは、labo@wana.gr.jp 坂本まで)
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大阪市内のA障害福祉サービス事業所では、通所されている利用者の方を対象に個別SEPを実施しています。支援員のSさんは「コロナのせいで事業所での訓練はなかなかできていないけど、SEPを受けてほしい人がいるんです!」と、SEP研修の全過程を修了後、今年3月末のスタートセット説明会を終え、1か月もたたないうちに個別のSEPをスタートされました。その後も着実にSEP実施経験を積み重ね、このたび実践報告をいただきました。
ここでは、セッションの中で扱われた個別課題の修正と感想の一部をご紹介したいと思います。
<Aさん 30代>
・個別課題:人から考えが合わないことを指摘されると「嫌われた」と思いフリーズしてしまう
・歪んだ認知:「好かれていない」ということは「嫌われている」ということ
・修正の言葉:「無理に好かれる必要はない」「自分の意見を言おう」
・気づき:自分の感情を押し込めることがなくなった。言葉に出すことに躊躇が無くなり、イヤな感情が後に残らなくなった。人から何か言われて違和感があった時に、言い返すのではなく意見が言えるようになった。
・実施者コメント:他者に対し、自分から働きかける行動が見られるようになった。途中までは猜疑心もありながら受講しているようだったが、自身の認知の歪みのせいでうまくいかないことあったのをきっかけに真剣みが増した。最終回には、「今後も認知修正の言葉をどんどん入れ替えながらやっていきたい」と発言するほどの変容だった。
<Bさん 20代>
・個別課題:他者に対して過度に親切にして、やり過ぎて疲労してしまう
・歪んだ認知:感謝されない自分は存在意義が無い
・修正の言葉:「今のままで十分がんばっている」「自分には価値がある」「生きているから〇〇と出会えた」
・気づき:修正しているとき、身体が温かい感じがした。
・実施者コメント:SEPの中で少しずつ感情に触れていったことで、実施者や他の支援者とのラポール形成につながった。また、個別課題の背景にある母への思いについても深く共有することができた。継続が難しいという本人の特性に対するサポートとして、フォローアップを待たずに時々面談を実施し、個別課題の修正の手助けをしていきたい。
<Cさん 20代>
・個別課題:「できますか?」と聞かれると断れず、自分がしんどくなる
・歪んだ認知:嫌われたり、評価が下がったりしたらどうしよう
・修正の言葉:「かんぺきでなくても良い」「こんな自分でも家族や友人は愛してくれる」
・気づき:偉い人でも迷惑をかけるのはしかたない。ミスをしても信頼される人、カバーされる人になりたいと感じた。
・実施者コメント:SEPの受講を提案した当初は無関心だったが、SEPの冒頭で脳の機能や認知行動的アプローチに関する研究結果を知り、意欲的になった。SEPの進度に合わせて日々の支援でも職員への自己開示の機会を増やすなどすることによって、家族や職員に対して信頼感が増してきた。受講期間中、それまで本人が抱えていた自身の特性についての悲観的な思いを母親に吐露し、その気持ちを受容してもらえた体験によってさらに本人の自己受容が進んだ。
<研究所コメント>
実施者のSさんにとっては、コロナ禍のSEPスタートという波乱のスタートになりました。そんな中、着実に実践を進めたことが、受講された利用者の方の成長をしっかりと促していると思います。他者だからこそ気づく日頃の行動の細かな変化や、その方の特性に応じたSEP終了後のサポートができているのは福祉の事業所ならでは。個別実施であることを活かして、日頃の個別支援よりもさらに深めたコミュニケーションを図れていることが素晴らしいと思います。
ファシリテーターのSさんは、相手を包み込むような優しい雰囲気を備えておられます。コロナが落ち着いたらぜひグループでの実施もご検討くださいね。
通所型の事業所や相談機関、住居型の施設など、その施設や機関の特性を生かすことでSEPの効果はさらに上がります。個別でもグループでもアレンジ自在なSEP。皆さんらしい、皆さんの事業所ならではのSEPスタートを、研究所スタッフ一同応援しています。
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