野田市の虐待死事件


藤木です。2/5、日本テレビ報道番組「news zero」から、野田市の事件について取材を受けましたが、番組内ではコメントとして出ませんでした。しかし、櫻井キャスターの解説には私の意見が取り入れられていたと思います。

今回の事件は父親の心理アセスメントの不足、母親のエンパワメントの不足、児相の人材の問題、教育委員会や学校教員の危機感の不足など、多くの教訓に満ちていたと思います。

正直、惜しかった、こどもの命は救えていたと思える痕跡が多かっただけに悔しい事件でした。

その最たるものは母親が、一度あの父親と離婚していながら、復縁していた点かもしれません。次に、母親の両親が娘の夫のDVに抗議するために娘宅を訪問した際、夫は父親に暴力をふるっている、この時に両親はなぜ警察に行き、娘と孫を取り返さなかったのかーー。

それはそうとして、圧力に屈してアンケート用紙を父親に開示した教育委員会のていたらくは言うに及ばずですが、なんといっても鍵は児相にありました。しかし、児相が人員不足とCWの質の向上をいまだ改善できないのはひとえに国、公共の問題。学校教員に虐待問題の研修が行き届かないのも同じことと思います。

ちなみに昨年、私は大阪府下の約1000人の校長先生に虐待防止研修を行いましたが、「うちの教員たちにもこの研修を」と校長先生から依頼があったのはたった一校、東大阪の繩手東小学校だけでした。

最終的には虐待は「金」で解決できる問題とも言えるのです。少子化問題を口にしながら、一方で児童福祉に予算をつけないこの国に未来はないーーこんなことまで私は取材で言うので、TV番組に出してもらえないのかも(笑)。