修了生からの感想 1
【ココロと元気をとりもどす、認知療法的アプローチ < AMIDA session>】
PFS(DVサバイバーのためのプログラム)、修了生から感想が届きましたので、ご本人の了承を得て、掲載させていただきます。
この方は30歳代、お2人のお子様がいらっしゃる女性です。自己主張が難しく、うつ傾向に悩んでおられたため、2週間に一度、10回のセッションを受講されました。その結果、今春から職場に復帰する勇気をもたれ、「お薬ともこれでお別れ」と、長い苦しみを経て、やっと出口を見つけられた喜びに満ちておられます。
<感想 1>
プログラムを振り返ると、あっと言う間で、その間の約2ヶ月は自分が激しく変化した日々でした。
不思議なことに、プログラムが始まってから、今までの古い自分に対する宿題が次々とやってきました。プログラムで教わったことの実地練習です。
私は今でもそうですが、人と話すのが苦手で、相手に自分の意思を伝えること、意見を主張することができませんでした。
自分の意思を相手に伝えるのがすごく苦手で、自分の考えに全然自信がなかったので、納得していなくても、それはおかしいと疑問に思ってもすぐ「わかりました。」で済ませてしまう癖がありました。
プログラムでは、口でうまく伝えられないなら、紙に書いて伝えたらいいことを教わり、最初は紙に書いてしか自分の気持ちを伝えられないのが恥ずかしかったし、成功するのか全く自信がなくて、この『紙作戦』を実際に行うのは、毎回すごく勇気がいりました。
勇気がなくて、緊張して、不安で、何日も前から悩んで寝込んだりもしました。
ですが、何回か実践していくうちに「相手にどう思われてもいい。とにかく自分の気持ちを伝えてみよう。」という気持ちになってきました。
私は毎回、駄目でもともとのつもりで勇気を出して挑んだのですが、『紙作戦』で自分の気持ちを伝えることはほとんどの場合、あっさりと成功したので、始める前の強い不安→あっさり成功が何回か続いて、段々と自分に自信が着いてきました。
プログラムを受講する中で嫌でも自己主張しなければならない場面が生活の中でたて続けにおこり、受講して得た事を実地訓練する形で、段々と自分に自信と度胸が着いてきました。
プログラム終了後も私の中では認知行動療法が続いていて、生活の中では、今までの古い自分への『宿題』が続いています。これまで『苦手』として正面から取り組むことを逃げていた分、やっぱり一回一回、行なうまでは強い不安を感じ、勇気がいりますが、場数を踏んだ分、タフになってきた気がします。
始めに認知行動療法の説明を聞いた時のイメージは、柔道で古い自己(悪い認知)と何度も組み合って闘う体育会系のハードなイメージでした。
受講後もそのイメージは変わりませんが、少し変わった所は、最初の頃は闘う相手は何度組み倒してもすぐにまた起き上がってきて向かってくる、際限のない闘いのイメージだったのが、今は、時には相手を組み倒してそのまま自分が勝つこともあると思えるようになったことです。
プログラムを受講して得たもので一番大きかったことは、自分の意思表示を思い切ってできるようになってきたことです。まだまだ慣れないですが、失敗してもいい、とにかく自分の意思を相手に伝えてみようと思えるようになったことは大きいです。
受講終了後も、私の中では認知行動療法が続いており、毎日の生活の中で対人関係での『宿題』もまだまだやってきます。
くじけそうになることもありますが、負けずに挑んでいきたいし、これからも経験を積んで成長していきたいと思っています。