TBSの新春ドラマの監修を頼まれた
「嫌われ松子の一生」以来である
新幹線で新横浜から乗り換え、青葉台からバス
8万坪の広大な土地に立つスタジオに到着した
私の役目は拘置所シーンの指導である
「独居房のセットはこれでいいですか」
「看守の鍵の開け方はこうですか」
私が刑務所で働いていたのはかなり昔のこと、
ひとつひとつ過去の記憶を呼び起こしつつ、答え、指示を出す
感心するのは、そこで働くたくさんの若者たち
AD、カメラ、道具、美術、ヘアメイク、
いろいろな職種の人たちが渾然一体となって仕事をしているが、
イマドキの若者にありがちな甘えはそこにない
格好かまわず、それぞれキビキビと動き回り、作業をこなす
「何やってんだよ!」
「何度も言わせるな!」
「どけ、そこ!」
ここの上下関係はとても厳しい
ベテランや先輩からの躊躇ない指図や、容赦ない叱咤が飛び交う
「はい!」
「もう一度お願いします!」
まずければ怒鳴られるのは当たり前
ヘコんだり、落ち込んだりしている暇などない
自分に与えられた役目を必死に果たそうとするその表情は、
誰もみな、一人前の職人の目をしている
ここでは女も男もない
年齢も学歴もない
いい仕事ができるか、
どれだけドラマづくりに貢献できるか、
その結果、次の仕事にありつけるかどうか、それだけだ
全員でひとつの作品を創り上げる
老いも若きもひとつの目標に向かって力を合わせる
団体戦のスポーツのような感覚がそこにある
キライじゃないなあ、こういう空気
その熱気につられて、ついつい私も気合が入る
監督をさしおいて、主演女優の手首にはめられた手錠にNGを出す
「これはアカンな。はい、もう一回」
おもしろかったのは、大阪弁
私が関西から来たと知った出演者が、
「あの、このセリフ読んでいただけませんか」
「ちょっと録音していいですか」
自分のセリフにチェックを求めてくる
日頃、さまざまな番組や映画のおヘタな関西弁に不満があった私
方言指導は望むところよ、まかしとけ
本番中でもダメ出ししまっせ
というわけで、来週もう一回スタジオ行きなのですが
しかし・・・
私って、いろんな仕事を体験するなあ(笑)
え、いつオンエアだって?
仮タイトルが正式に決まったら書きますから、お楽しみに