ウンドンハセヨ2
肩コリ対策として、近所のトレーニングセンターで運動することにした
日曜日の午前、利用者は中高年の男性が多い
男性はお互いあまり話さず、黙々とマシーンに取り組む人が多い
静かなのでホッとする
毎回、血圧と体重、脈拍を測り、記録することになっている
何年ぶりかに血圧を測ると、なんと上が73、下は53
近くにいたオバサンが目ざとくそれを見つけて
「エッ、おたく計り方まちごうてるんやないの!?」
と耳元で叫ぶ
も~うるさいなあ、オバサンは
血圧計の使い方くらいわかってるわ
前から低血圧やねん、ほっといて
でも70台になっていたとは
う~む
やっぱりこれまでの不養生か
そういえば、この頃はものを書くか読むか話すかの生活
車を持っていないことでよく歩くくらいか
元空手の日本代表選手だった私も、ブランクには勝てぬ
得意だったエアロビクスもストレッチも、思うようにはいきません
なんとかマシーンの使い方もわかってきたが、
ウエイトは一番軽いもの
ウォーキングマシーンもわずか20分でおしまい
それでも夜ははや夕食後に眠くなり、
翌日は筋肉痛でヨロヨロ
しかし、今からが勝負である
「予防介護」という言葉があるそうだ
歳をとって寝たきりにならぬよう、
早くから運動で体を鍛えておくべきという考え方だ
なるほど 老後も自己責任というわけか
ここで周りを見回しても、
ガッチリしたガタイに、ファッショナブルなスポーツウエアに身を包んだ、
若々しい風貌の利用客が、しっかりした足取りで歩き回る
顔を見ればおそらく70歳はとうに過ぎているだろうと思われる
たしかにこの国では、歳をとることが大変リスキー
子どもも社会もあてにはできぬ
ならば、いつか十分に歳をとったら、
ワナ関西のメンバーたちで楽しく暮らそうという、
自己防衛計画もあるにはあるが、
それでも先立つものはお金にちがいない
動けるうちは仕事に励んで金を稼ぎ、
いざというとき頼りになる仲間と時に酒を飲み、
休みには600円を握り締め、
公共のトレーニングセンターに行く、
これが現代の日本における、
正しい歳の重ね方なのである
金と友と元気
これらすべてが適度にあれば、老いは怖くない