あの本が電子書籍で復活します


少し肌寒い春が一変して、暑いくらいの陽気ですね。皆さまお元気でしょうか。今日は作家の藤木美奈子です。

このたび、出版社の講談社からうれしいお知らせが届きました。これまで絶版となり、入手不可能だった文庫本を、電子化して、デジタル利用・オンデマンド出版として再び販売しよう、という企画です。「あの本がいつまでも読めるプロジェクト」という名前がついていました。

今回、対象になっていた私の本は以下の3冊でした。

・女子刑務所―女性看守が見た「泣き笑い」全生活
・ストーカー・夏美
・傷つけ合う家族 ドメスティック・バイオレンスを乗り越えて

どれも思い出深い作品です。とりわけ「女子刑務所」は私の初作で10刷、「傷つけ合う家族」は5刷と健闘しました。「ストーカー夏美」は小説であり、初刷で2万冊ほどでしたが、増刷されなかったために、売り切れ後は入手できなくなっていました(そのためにプレミアがついて、現在、中古で25000円ほどの価格がついています) 。

自画自賛に過ぎませんが、こんないい本をなんで買えなくしてしまうのかな(笑)と、自費での復刻も何度考えたかわかりません。しかし、大きな金額になってしまうので、断念してきました。

そういうわけで、今度のお知らせはとてもうれしいものです。ただ、オンデマンドは注文があり次第、本の形にするため、文庫本の通常価格(600~700円ほど)よりは多少高くなるかもしれず、映画一本分の金額くらいにはなりそうです。それでもこの世から消えてしまうよりはと考えていただけたら何よりです。

なぜなら、私の本は、ご本人にはもちろんですが、家族の問題でしんどさをかかえた人に読んでいただきたい作品ばかりです。ちょっと気になるあの人への贈り物としてお選びいただけたらと思っています。

これから準備をして、発売開始は来年2020年の春頃とのこと。入手可能になったらまたお知らせしますが、当時手に入らなかった方はぜひ講談社へご予約・お問い合わせいただけたらと思います。

講談社「あの本がいつまでも読めるプロジェクト」
電話 0120(911)700(無料)