先日、マッサージ師への不満を書いた
その矢先、達人と遭遇!
それは和歌山の串本町にある観光ホテル大浴場前の小さな店だった
同行したTさんといっしょに、温泉に入る前にマッサージを受けようということに
迎えてくれたのはひとりの小柄なおじさん
だが、マッサージを始めたとたん、その巧さに驚いた
聞けば三年前まで漁師だったという
だが、漁の不安定さに職業転向を決意、船を売り、この道に入ったという
腕のよいもみ手がいると聞けば、車で何時間でも走って施術を受ける
だが、たいてい自分の方が上、という確信を得て帰ってくる
「熱心ですね」
「いや、それでひとつでも何か技を盗めれば安いもの」
市場調査に余念がない
この仕事を始めてから、天候に関係なく収入があるため
家内はいたってご機嫌、と笑う
「肩が凝るのは、実は腕が凝ってるんですよ」
あれこれ日常生活でできる予防を教えてくれながら約40分
私のあとに施術を受けたTさんは、
息子の腰痛予防法を教えてもらい、
わからないことがあれば電話を、と名刺までもらっていた
100キロほどある男性客に「もう少し弱く」と言われることもあり、
少々強めではあるが、客に、「大阪で商売しない?」と、よく言われる
だが、潮岬に居を構える彼には市場拡大の欲望はない
「この仕事が好きなんです」
料金は30分なのに、10分超過の大サービス
うるさいタイマーをかけないところもうれしい
そして、最後に「秘儀」までご披露
彼の師匠と仰ぐ人物が編み出したというその奥技は、
ご飯をよそう「おしゃもじ」を駆使する
的確に肩のツボを抑えるおしゃもじに、うーむ、奥が深い
「あとは持ち手のカーブをもう少し改良して・・・」
おしゃもじを見つめるおじさんの目は立派な研究者
串本でこんな達人に出会えるとは
ひさびさに満足感に満たされながら、温泉に身をゆだねる
今日はついてるなあ
先日、未熟なマッサージに愚痴をこぼしていたばかり
講演先で出会った「揉みの達人」は実直な人間でもあり、
なんと、翌日の講演会場にまで顔を見せてくれた!
彼の名は小川さん
その技を堪能したくば、串本ロイヤルホテルへ
宿にうるさい私だが、この宿の大浴場と食事も評価に値する
高台に位置し、海を臨むオープン・エアな露天風呂はまるでハワイ気分
夕食は適切量、和食につきものの篭入り天ぷらがないところも気に入った
朝食も繊細、バラエティに富んでおり、窓からの眺めも良い
今回の講演に呼んでくださった関係者に感謝感謝
(これほど満喫できる仕事はめったにありませんので。念のため。
通常は講演終了と同時に車で駅に直行でございます。はい)
仕事が好きでたまらない人に出会うとうれしくなるねえ
金のためではなく、人を活かし、自分を活かす道を探求すれば、
金はあとからついてくる・・・はず?