いつか来るだろうなあ、と思っていたら、やはり遭遇
それは先日、鹿児島へ講演に行った日の飛行機だった
JALは今、ご存知のように、救命対策に追われている
早期退職勧奨もうまく行かず、社内外に揺れている
こうした状況は、必ず仕事に影響が出る
離陸して数分、ワゴンサービスが始まった
さて、何をいただくかと思いつつ順番を待っていると、
スッとワゴンが私の席を通り過ぎた
???
コーヒーが不足して補充に行ったのかな?
と思ってしばらく待っていると、なんだかおかしい
そのうち、ゴミの回収が始まった
え?
つまり、私の列の人はすっかり抜かされたの?
信じられない
あのJALの乗務員が
そんな単純なミスをするなんて
日本のキャビンアテンダントって、最高の評価じゃなかったっけ?
思わず、近くにいた乗務員に声をかけた
「あの、飲み物はいただけないのですか?」
その時、彼女の顔が一瞬ひきつった
事態がすぐに飲み込めないようだった
通路にしゃがみこみ、
「あの・・・何にいたしましょう」
「冷たいお茶を」
「すぐにお持ちいたします」
お茶を手に戻ってきた彼女は再び私の横にしゃがみこみ、
私の顔を見上げ、再度詫びた
「申し訳ありませんでした」
私は声のトーンを落としてささやいた
「飛行機に乗って30年ですが、これは初めてです」
「サービスの基本ですよね。訓練、受けたでしょ」
ちらりと彼女の表情をうかがった
考えられない初歩的なミスに、彼女自身が
ショックを受けているのがわかった
「これから気をつけてくれたらいいですから」
もうこれ以上言ってもしかたない、私は幕を落とした
だが、かなり気分を悪くした
温かいコーヒーを飲みながら、講演資料の確認を、と思っていた
冷たいお茶を口にしたが、もう資料に集中できなかった
現在のJALの状況は私もわかっているし、
これはそのうち客室サービスの質が落ちるな、と思っていたら、やはり
見事な連動ぶりに感心もした
怒りよりも悲しかった
18歳で初乗りした飛行機の客室乗務員はあこがれだった
こんな凡ミスを、しかも客から指摘されるまでわからないなんて
でも、たかがお茶、とは思えない
こうしたうっかりミスが安全にも及んだら、と思うと
今度はANAにしよう、そう考えるのが自然ではないだろうか
海の家の臨時アルバイトなら許せても、これは由々しき体験
質の低下は彼女のせいだけじゃないとは思うが、
経営や仕事って、だから面白い
人間が創るものは嘘がつけないからだ
来春から准教授として「キャリアデザイン論」を担当することになった
「仕事」をテーマに生きてきた
経済的自立を支援するNPO活動を15年、
数冊のビジネス書も書いてきた
こうした経験も、きっちり材料にさせていただきますぞ