孤高の芸術家、草間弥生
京都、立命館大学で映画を観ました
芸術家、草間弥生のドキュメンタリーでした
吸いつけられるように見入った90分間でした
彼女の作品とは今まで何度も遭遇している
たまたま行った六本木ヒルズでの作品展
ワナメンバーと行った旅行先、直島で
奇抜な色づかい、変わった作風だったので、
彼女の名前は知らずとも、作品ははっきり憶えていた
どんな人なのかを知りたくて、80歳をとうに越えた彼女に会いに行った
映画のタイトルは「わたし大好き」
「前衛芸術家と呼んで」
「自分の作品が一番って思ってなきゃ、こんな仕事やってられないわ」
強烈な自我と、どこまでいっても自身にしか示されない関心
彼女の中に他者は存在しない
精神病院へ入退院を繰り返しながら、
妄想が自分を描かせるのだ、と来る日も来る日も巨大なキャンパスに挑む
私の最大の関心は、
ショッキングピンクの鬘をかぶった老女が描いた絵を
世界が褒め称え、最高峰の評価を与え続けていることにある
家族も友も不要
晩年という言葉に敵意を燃やし、90歳を前になお、
「まだまだよ。私はこれから」と、言い切る
持てる力を惜しみなく作品に注ぎつづけ、
どこまでも生に執着し、我を最高に活かそうとするその姿と情熱は、
小市民的安寧を真っ向から否定するものだ
私はこれまで狂気のはざまでもだえ苦しむ人たちと関りあってきたが、
あの世とこの世の境目を行き来しながら、
これほど世に認められる仕事をする人間は希少である
たいていは「自分が人並みでないこと」に失意し、
医療の虜になり、自滅への道を自ら選び取るものだからだ
やはり私の考えは間違っていなかった
苦難と試練は、より高みに自分を押し上げるためにふりかかる
どんな人生にも共通した点として登場すること
ならば、その道程を味わい尽くすことだ
与えられた自分の宿題に夢中になり、そして、
自分という人間の生き様をやや距離をおいて興味深く観察せよ
あなたはどんな初期設定で生まれたか
そこにあなたの生の意味が隠されている
あなたの人生に存在するのは、実はあなただけなのだ