天王寺駅周辺は今、再開発の真っ最中だ
かの有名な?アポロビルの隣がルシアスビル
このビルの地階の一隅に、
近所に住む人々から注目されている場所がある
そこは、店が短期間で何度も替わる場所なのである
私が阿倍野に暮らしてから10年以上になるが、
もう何十回と、さまざまな店に模様替えされた
韓国系料理が多く、私としてはうれしいのだが、
なぜかすぐに暇になり、ある日突然シャッターが閉じたままとなる
やがて別の店に変身してシャッターが開く
今度も新しい韓国料理店がオープンした
韓国びいきの娘とさっそくランチに行った
なかなか良かったら夕食に
ダメなら2度はない
結果は・・・アカンかった
店のインテリアはまあまあ
だが、若い女性スタッフ3人の教育がなってない
私たちが席につくと、
長くボサボサの茶髪を振り振り、
注文をとりに来た時から驚きが始まる
彼女たちは少し間ができると液晶大型テレビ(客用)に見入り、
食べ終わった客がレジ前で3度呼ぶが、誰も動かず
たまらず娘が、
「あの、お客さんが呼んでますよ」
と声をかける
「信じられない」
娘が今アルバイトしているパスタ屋はかなり厳しい
監視カメラがバイトの動きをチェックしており、
動きの悪いスタッフは即日クビだという
肝心の韓国料理といえば、キムチはたったの2切れ
ナムルは小皿の上に数本
スンドゥブチゲもプルコギも、決して美味しいとはいえない
だんだん娘の表情が険しくなる
先日行ったソウルの夜を思い出しているのだろう
もちろん、コップの水がなくなろうとも知らん顔
「行こか」
立ち上がろうした時、別の席の客がスタッフを呼んだ
何か異物が入っていたらしい
「ここもすぐつぶれるなぁ」
「うん」
レジ係はあいにくロンゲの彼女だった
どうしようかと迷ったが、やはりひと言
「余計なことかと思うけど、
髪は縛ったほうがいいですよ、
食べ物売ってるんやからね」
マスカラで真っ黒に縁取られた目をしばたかせて彼女は、
「あ、すみませーん」
と頭をぺこり
バイトは初めてなのだろう
彼女に恨みはないが、
格好ばかりで、店員の教育はまったくしない
そんな店でいくら働いても何も身につかない
どうせなら、別の店で働くほうがいいよ
これも余計なことだけど
ああ、また数ヵ月後に店が替わるのか
保証金と改装費、什器もろもろで一千万円ほどは無駄になろう
経営者よ、不景気を嘆く前に、
アンタ、真剣に仕事してんのかいな
商売はそんなに甘くないで