202001SEPメールニュース20号

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―★☆。*:.: SEPメールニュース 第20号  2020/1/31――★―☆。.:*:・゜

       あなたのこれまでの苦労は、あなたのせいではありません
       本当の自分をとりもどして、自分が望む人生を歩みましょう

  発行:SEP研究所  HP https://seplabo.com/supporter/  BLOG http://blog.wana.jp

※本メールは、ご登録いただいた方、お問い合わせいただいた方、自立訓練Maluhiaの関係機関の方へ送付しています

◆CONTENTS

【Ⅰ】 今月の認知修正の言葉

【Ⅱ】 トピックス SEP実践の輪が広がっています

【Ⅲ】 研修・当事者プログラム 開催予定&参加者募集中

【Ⅳ】 SEP関連実施報告 

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 【Ⅰ】 今月の認知修正の言葉

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SEPを終えた皆さん、それぞれが定着作業に励んでおられると思います。

ここでは毎回、実際の認知修正の事例を取り上げます。

<Vさん(50代女性)> 

Vさんの父は、お酒、ギャンブル、異性関係など問題だらけで、とても暴力的な人でした。母親も子どもに愛情をほとんどかけず、感情的に叱りつける人だったため、Vさんも他のきょうだいも精神的にとても不安定に育ちました。そのせいで、Vさんはきょうだいともうまくいかず、物心ついた時から、いつも自分を少し離れたところから見ているような感覚を持って育ちました。そのため、大人になった今でも否定的な考えが強く、いつも孤独感があり、自分に価値を感じることができないことで悩んでいます。

★自動思考(認知の歪み)

「私は、いてもいなくても一緒」

「自分は必要とされてない」

★認知の修正 (新しい考え方)

「私の世界があっていい」

「私は私が好き」

「私には私が必要」

「私は大切な存在」

⇒ この修正をする中で、「私は私が必要」が一番Vさんの心に響いたそうです。

SEP受講後、プログラムでの学びや気づきを、自分も誰かに伝えたいという思いから支援者向け研修にも参加し、歩みを進められたVさんから感想をお送りいただきましたので以下にご紹介します(一部加工しています)。

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【Vさんの感想(原文ママ)】

SEPでは大変お世話になりました。

育ってきた過程において強く根付いてしまった思い込み、自動思考によって招かれる感情の整理ができたように思います。

「私はいなくてもいい」

「必要とされていない」

「誰も理解してくれない」

「どうせ嫌われる」

「透明人間のように、死んだように生きよう・・・」

大なり小なり傷ついた体験があれば多少なりとも思う事かもしれませんが、何度も何度もこのように思う事でいつの間にか私の心の中に根付いて深いところでの思い込みとなっていたように思います。

人一倍敏感で様々な事に気持ちが向いてしまう特性から、些細なことでも大げさに捉えてしまう事はあったかもしれません。そして小さなトラウマや大きなトラウマによって自分が自分を生きていないことは自覚しながらも、どうしてこんなに生き辛いのかと思い悩んできましたが、この歪んだ認知がようやく見えてきました。

SEPでもらった「私には私が必要」この修正の言葉に救われました。この修正をするようになってから、「子どもの頃の自分」が出てきて、その子と対話するようになりました。そして今では、自分の中にいた「子どもの自分」が育ってきています。それと同時に、今まで抱え込んできた苦しみがどんどん溶けていき、感情を出したり、整理がつくようになりました。自分を生き辛くしてきた歪んだ認知(傷ついた私)と少しずつ向き合い、何度も何度も修正しながら、自分の人生を生きていけるような気がしています。

また、メールニュースを見せていただくことで、実例として自分に当てはまる事もあり、実感としての大きな気付きが得られることもありました。

今となってはどうやって辿り着いたかわからない藤木先生の本を紹介していたサイトですが、こうやって受講させて頂き、これまでのご苦労と一生懸命に生きて来られた生き様を拝見し、また勇気をもって社会に貢献していけたらと思います。

引き続き、支援者研修でお世話になります。今後ともどうぞよろしくお願い致します。

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<研究所から>

Vさんのように、自分に起きていることを、まるで遠くから離れて見ているように感じたり、自分の感情を感じられなくなるような状態は「解離」という精神症状の一種です。この「解離」は、心的外傷体験や、親との愛着の問題を含むトラウマティックな出来事によって引き起こされることがあり、大人になってからの心の状態や対人関係に困難をもたらします。

プログラム中、とても慎重に自分についての理解を進められ、ご自分の納得する言葉を見つけられたVさん。認知修正を続けることで、自分の感情にフタをしてしまった頃のご自分と向き合うことができ、再び、自分の感情や自分が存在しているという感覚を取り戻すことができたのです。

プログラム後、人前でお話になる時も本当にいきいきした表情をしておられ、これが本来のVさんなのだなと改めて感じました。Vさんが今後の人生を思いっきり自分のこととして味わい、楽しんで、自己実現されるよう、研究所スタッフも応援し、見届けたいと思っています。

募集中 日々の修正、定着作業への思いをお待ちしています(メールニュース掲載の可否もお忘れなく♪)。

*認知修正にいきづまって悩んでいませんか? ~心の定期メンテナンスのお勧め~

ストレスに満ちたこの社会、定着作業をやめてしまうと元の「悩み癖」が復活してしまいます。修正方法に迷いが出てきた方、相談したいことができた方、フォロー・カウンセリングを受けてみましょう。1年ごと、半年ごと、3ケ月ごと、自分に合ったペースで点検に来ませんか? Eメールで表題(件名)に「フォロー・カウンセリング希望」と書き、「お名前」と「お電話番号」「受講年」を記入の上、sep@wana.gr.jpまでお気軽にお問い合わせください(フォローCLの特別料金は、SEP受講者のみ適応です)。

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 【Ⅱ】 トピックス SEP実践の輪が広がっています

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SEP研究所では、「育ちの傷」を抱える当事者の方向けのSEPの実践とともに、どの地域に住んでいる方にもSEPを受けてもらえるよう、SEPの進行役であるファシリテーターを養成する研修「SEP実践者養成研修」にも力を入れています。2010年からスタートしたこの研修も今年で11年目。SEP実践を当研究所から認められる「スタートアップ研修」の修了者も22名となり、今月は、修了者の3名から、新たにSEPの開催報告がありましたのでご紹介します。

◆就労移行支援事業所ミライエ 山本さん、横山さん

〇実施期間:2020年1月~ 実施中

〇実施対象:就労移行支援事業を利用する20~40代の男女5名(ほぼ全員が虐待被害経験あり)

〇実施に至った思い:初級を受けたころからずっとSEPをやりたいと思っていたので、やっとスタートできる!という気持ちです。心理テストでは皆さん自尊感情などが低かったので、どのような変化があるのか楽しみです。ドキドキで迎えた初回でしたが、1回めの心理学習を終えただけで、参加者同士の良い雰囲気や、「自分の過去の体験を理解し直すことができた」という感想にとても感激しました。

◆北九州市役所 草垣さん

〇実施期間:2020年1月~ 実施中

〇実施対象:育ちの傷があり、対人関係の課題や生きづらさを抱える10~60代の男女4名

〇実施に至った思い:課題や状況、年齢も全く違う4名ですが、それぞれにとても深い生きづらさを抱えています。心理の隣接領域で活動する参加者もいるが、心理学習の内容に対しても高評価をもらっています。3回目から、グループワークで認知の修正をしていくのを参加者は楽しみにしているので、頑張りたいです。

<研究所から>

今回SEP開催報告をくださった3名の方はいずれも昨年11月30日にスタートアップ研修を修了されたばかり。スタッフ一同、このスピード感と熱意に驚きと嬉しさを感じています。もちろん、慣れるまでの数回は予定通りの進行ができなかったり、修正に手間取ったり、色々なハプニングもあるかもしれません。ですが、必要なことはスライドやテキストにすべて盛り込んでありますから、少しくらい棒読みでも大丈夫!それに、「当事者の力」「場の力」に勝るものはありません。「ファシリテーターは参加者を集めて“場の交通整備”だけすればいい」くらいに認知修正をして頑張りましょう。

参加者の募集や実践についてのノウハウなど、お困りのことがあればご相談ください。「初級研修」⇒来月開催の「中級研修」と進めば、次はいよいよ「スタートアップ研修」。ツールの頒布と説明を受けて、最短で来年度にはSEPのスタートができます! 支援者の皆さん、どの地域にお住まいの方もSEPが受けられるよう、あなたもSEPをスタートさせましょう。

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【Ⅲ】 研修・当事者プログラム 開催予定&参加者募集中

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【支援者向け / SEPの理論に基づいた対人支援法を学びたい方 】

第6回 <中級> SEP実践者養成研修 参加者募集中!

<開催日時>  2020年2月15日(土)13:00~17:30  16日(日)10:00~16:00(予定)

<受講料>   税込 36,000円(2日間) ※この料金での募集は最終回です。 

*初級の学びを深め、認知の修正の技術とコツをしっかりと身につけるための少人数制講座です。習ったことを復習したい方の再受講や、グループ練習を目的とした2日目のみの再受講も可能です(単日の参加費用は税込18,000円)。お問合せはお気軽に。

◆第4回合同学習会 参加者募集中!

年に1回、SEPに関する①研究、②技術指導、③実施者のサポート・交流を目的として開催する研修会です。ファシリテーターとしてSEPを実践している各地の支援者の方や実践を目指すメンバーが集まり、実践報告やSV、最新の研究動向を学びます。実践に向け、実践事例をもっと知りたい方、熱意をもって対人援助に携わる方をもっとつながりたいと思っている方におすすめです。

<参加費>ひとり税込3,000円

<参加条件>SEP実践者養成研修の初級以上を修了され、SEP研究会に入会されている方(詳細はお問合せください)

<申込方法> Eメールで表題(件名)に希望される研修名を記載の上、「お名前」と「お電話番号」を添えてlabo@wana.gr.jpまで。

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 【Ⅳ】 SEP関連 実施・開催・講演報告

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◆2020年1月14日、ふたばホーム(東京)にてSV研修

◆2020年1月18日、WANA関西第14回<2019夏>当事者SEPフォローアップ開催(参加者の感想はブログをご覧ください>> http://blog.wana.jp/?day=20200124

◆2020年1月23日、第5回マルヒアSEP開始

◆2020年1月24日、大阪市こども相談センター SEP周知研修

◆2020年1月25日、WANA関西第16回<2020冬>当事者SEP開始

◆2020年1月29日、2019SEP特別集中コース フォローアップ開催

◆2020年1月29日、関西こども文化協会全体研修にて講演

 ※活動報告は、研究所HP https://seplabo.com/supporter/ または、ブログ http://blog.wana.jp/  でもご覧いただけます。

 ※ ご不明な点、質問などは何なりとSEP研究所までお寄せください

 ※メールニュースがご不要な場合は、こちらまでご連絡ください(担当:坂本)。 

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