〈青春〉という詩


知り合ってからおおむね30年になろうとしている友人が、
私の今回の博士論文合格を受けて、詩を送ってくれた

若者が次々と人生に絶望し、自暴自棄な事件を起こしている中、
来年50歳になろうとしている私の生き方に、
「青春」という文字を嗅ぎ取ってくださったとしたら、
なんだかうれしいじゃありませんか

だってね
私には「失われた26年」があるので
49歳マイナス26歳イコール23歳!
だからまだまだ老いてないわけ
23歳だからやりたいことがいっぱいあるのよ

〈青春〉
サムエル・ウルマン 宇野収、作山宗久訳 三笠書房
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青春とは人生のある期間ではなく
心の持ち方をいう。
バラの面差し、くれないの唇、しなやかな手足ではなく
たくましい意志、ゆたかな想像力、もえる情熱をさす。
青春とは人生の深い泉の清新さをいう。

青春とは臆病さを退ける勇気
やすきにつく気持ちを振り捨てる冒険心を意味する。
ときには、20歳の青年よりも60歳の人に青春がある。
年を重ねただけで人は老いない。
理想を失うときはじめて老いる。
歳月は皮膚にしわを増すが、熱情を失えば心はしぼむ。
苦悩、恐怖、失望により気力は地にはい精神は芥(あくた)になる。

60歳であろうと16歳であろうと人の胸には
驚異にひかれる心、おさな児のような未知への探求心
人生への興味の歓喜がある。
君にも我にも見えざる駅逓が心にある。
人から神から美、希望、よろこび、勇気、力の
霊感を受ける限り君は若い。

霊感が絶え、精神が皮肉の雪におおわれ
悲嘆の氷にとざされるとき
20歳だろうと人は老いる。
頭を高く上げ希望の波をとらえるかぎり
80歳であろうと人は青春の中にいる。